今回は、罹患の発覚から手術前までの経緯について書きます
目次
発覚のきっかけは
振り返れば数年前からその兆候が・・・
尿の出に元気がないとの自覚はありましたが、前立腺肥大だろうと勝手に思い、ほったらかしにしていました
会社の健康診断に甘んじ、退職後も人間ドックを受診せず、また前立腺がんのPSA検査も受けていなかったので、発見が遅れました
今回の医師との話では、「数年前から罹患していたはず」との事です
人間ドックがきっかけ
そんな中で、人間ドックを受診し、その際PSA検査(血液検査で済みますし、たった3000円です)を追加しました
前立腺がんを早期発見するためにも最も有用な検査で、がんや炎症により前立腺組織が壊れるとPSAが血液中に漏れ出し増加するので検出が容易と言うことだそうです
結果は、正常値の範囲が「0~4.0」のところ「3.6」、そこで一旦はほっとしましたが、人間ドックを受けた病院から精密検査を受けた方が良いと言うことで、後日泌尿器科を訪れました
泌尿器科を受診しましたら・・・
受診では「尿の勢い」や「残尿量」そして「PSA値」を受診したところ、やはり尿の出は芳しくなく、PSAの数値は変わりませんでした
診断の中での医師との会話「父親が前立腺がんに罹患している」と話すと、この病気は遺伝性の影響が強いのでMRI検査を受けた方がいいと勧められました
後日、MRI検査を受けましたが、小さながんの可能性が見つかり、早速専門の病院を紹介されました
なお、そこは父親が20年通った病院で、私も父親を連れてよく行きました
検査から全摘手術を決心するまでのプロセス
さっそく専門病院で受診しました
PSA検査はすでに受けていたので、いきなり「直腸診・経直腸エコー診断」です
「直腸診」は医師が肛門から指を挿入して前立腺の表面の状況を調べ、「経直腸エコー診断」は超音波を発する器具(プローブ)を肛門から挿入して前立腺の大きさや形を調べられました
明らかな問題は見つからなかったみたいですが、なにせ太い器具にコンドームを被せ肛門から入れられた時、「ウウッ!」とした感じで、その後数日間は肛門あたりに違和感が残りました(笑)
最終的には「生検」です
PSA、直腸診、エコー診断を受けたものの、最終的には「生検」を受けることになりました
「だったら最初からそうすれば良いのに・・・」と思いつつ、検査日程の空き具合から生検は1ヶ月以上先です
これは、前立腺の細胞を何ヶ所(私の場合は12ヶ所)取って、がん細胞の有無とその深刻度合いを調べるもので、私の生検は2泊3日の入院で「経会陰式」で行われました
肛門から超音波検査の機器を入れ前立腺の様子を観察します
陰嚢と肛門の間の会陰部から針を刺し、前立腺の組織を採取します
その前に「生検実施にあたり問題はないか」の確認のための検査、具体的には「血液検査」、「尿検査」、「レントゲン」、「心肺機能チェック」、「心電図検査」を受けます
ここからもわかるように、生検といっても、2泊3日の入院を伴う検査、下半身に麻酔をして行われるので「手術」と同じです
当日はお昼過ぎ頃入院し、翌日朝から点滴が始まり、9時に手術室に向かいます
そこはよくテレビで見るような大きな扉と番号が書かれた手術室が並んでおり、その一室に入ります
執刀医と看護師さんが何人かいて、背中から麻酔注射をされ、後は先生にお任せ状態でした
術中は意識がわからない様にねむっていることを希望していたので、その間の状況は全くわかりません
1時間程して遠くから声が聞こえて目が覚め、すると、身体には尿管が繋がれ、点滴と合わせてじっとして一晩過ごし、翌朝には尿管も外され、午後には退院です
生検の結果
生検から1週間後、結果を聞きにいきました
まぁ、癌の疑いと言いつつもPSAも基準内だし、大したことなく経過観察しつつ治療かなと思って行ったところ、結果は12ヶ所中7ヶ所でがん細胞が見つかり、そのうち5ヶ所が悪性度も高かったです
想定外でしたし、そこは冷静に受け止めるしかありませんでしたが、意外と普通でした
では今後の治療をどうするのか?ですが、選択肢として、「摘出手術」、「放射線治療」、「薬物療法」、「監視療法」があります
それまでにも色々調べてもいたので、その段階ではスッキリ「全摘手術かなぁ~」思ったのですが、その前にまだ色々検査を受ける必要があります
とりあえず、手術の日程を仮押さえしましたが、それは2ヶ月以上も先でした
画像診断
組織検査で前立腺がんと診断されたので、がんが他に転移していないかどうか調べるための画像診断を受けました
画像診断には「MRI検査」「CT検査」「骨シンチグラフィ検査」がありますが、MRI検査は既に受けており、残りの二つの検査を受けました
がんが前立腺内のどこにあるのか、前立腺の外への浸潤がないか、リンパ節への転移がないかなどを調べます
がんが他臓器、特にリンパ節転移や肺への転移がないかを調べる検査です
シンチ検査は骨に転移があるかどうかを調べる検査で、放射性医薬品(ガンマ線という放射線を出す薬)を静脈に注射し、体内に取り込まれた部分から放出されるガンマ線を専用の装置で体外から計測することによって薬の分布を画像化し検査します
そのために、注射してから3時間程度経ってから検査となり、その間外出し、おいしい昼食をいただきました
両検査とも台の上に寝ているだけで済むので全然苦痛ではありませんし、結果は、両検査とも大丈夫でした
正直、転移が見つかると大変だと思い、不安がいっぱいでしたので本当にホッとしました
これらの検査を通してひとつだけ良かったことといえば、頭部を除いて他の臓器のがん検査もできたということです
最終的に「全摘手術」を決定
最終的の診断結果は
「がんは前立腺内に留まり他への転移はないものの、細胞検査のリスク分類では高リスク」
でした
前立腺がんの進行は遅く、治療方法も色々ありますが、すっきりしたいと言う気持ちも強く、また69歳と言う年齢(まだ若く体力的に手術に問題がないという意味です)や今後の不安感も考えて「全摘手術」をお願いすることにしました
手術の方法には「開腹手術」、「腹腔鏡手術」、「ロボット手術」があり、私はロボット手術で行うことができました
このロボット手術は、下腹部に小さな穴を数ヶ所(6ヶ所)開けて、精密なカメラや鉗子を持つ手術用ロボットを遠隔操作して行う方法で、微細な手の震えが制御され、拡大画面を見ながら精密な手術ができます
私の場合は、お腹の両側に2ヶ所ずつとおへその所に1ヶ所、その左上に1ヶ所と合計6ヶ所に穴があり、出血も少なく、1週間後には傷口のテープが剥がされました